弦楽器職人ピエール Pierre le luthier
2016年 03月 05日
ピエールは私のチェロの主治医さん
おつきあいはかれこれ10年以上
事務仕事が恐ろしく不得意そうで、たまに心配になってしまう。。
(そういう私も事務系のことに関しては彼と似ているのですけれど...)
彼のアトリエは看板も無く、通りに面しているわけでもなく、
パリ9区、古き良き時代の面影と静けさの残る古い石畳の小路の重い扉の向こう
細長い中庭の一角にひっそりとある。
彼を信頼する長いおつきあいのお客さんが居るから、きっとそれで十分なのだろう。
壊れて、忘れられた使い物にならないような楽器も見事に蘇らせる
そして無垢の木から新しい素晴らしい楽器を生み出す
なんて素敵な仕事なのだろう、といつも思う。
そんな彼もここ数年は田舎と巴里の二重生活になっているようで
ご先祖様から引き継いだ廃墟同然の家を修復したりしていた、やはり自分達で。
このところは家のほうは一段落して、「今はミツバチ用の建物を造り直している」 と
写真を見せてくれた。
石を積み重ねて、入り口はアーチ型になっていたり、高さ4~5メートルはありそうな
石壁を一人で造ったというのだから、目がテンになってしまう。
以前からパリの自分のアパートでも巣箱を置いてハチミツ作りはしていたらしいけれど
数年前の冷夏の年から蜂が来なくなってしまったらしい。
今はそれらは田舎に移動し、新しい巣箱も増やし
これからもっと本格的に養蜂をはじめるという。
弦楽器職人&養蜂家 なんて素敵なの
「お願いだから、巴里のアトリエを閉めたりしないでね」
「Oui 小さく続けるよ」 のひとことにほっとする。
彼の作ったハチミツ、いつか食べてみたい
(本当は彼の楽器も奏でてみたい 少しで良いから。。)
by pot-eri
| 2016-03-05 19:19
| 音楽