職人JF氏のアトリエ l'atlier de l'artisan M.JF
2015年 02月 21日
未来の家のご近所さんの建具職人JF氏のアトリエ
未来の家のある小さな小さな町の隣村にあります。
自転車で通うには距離があり過ぎるので毎朝JF氏の奥さんが出勤前(彼女はお勤めしているので)
子供達を幼稚園やベビーシッターのところへ送り届けた後、駅まで私を車で迎えに来てくれるという、
家族ぐるみのやさしさに甘えるぽてり。
修復の済んだ古い扉のペンキ塗りの心積もりでアトリエに辿り着くと
そこにはほぼ全て新たに再生された゛私の扉゛がありました。
「えっ、これが゛私の扉゛?」
「修復のつもりで取り掛かったけれど、木は殆ど腐っていてね、だから作り直すことにしたよ」 と。
三枚の扉は全て原型に忠実に作り直されており、
唯一、扉の上に位置していた6つの格子は見覚えのある年月を経た風合いが残され
そこにありました
新旧共存の扉、
表参道ヒルズみたい (ちょっと違う?かなり?)
「えっ? でもこれって... 予算オーバーした分はちゃんと請求してね」 という私に
「いいの、いいの、これは僕の最初の計算違いだから」 といつも笑顔、サンタクロース風お髭のJF氏
そういうわけにはいきませんっ、だってこれ、相当な手間が掛かっているはず。。
その日、外注の仕事に出なくてはいけなかったJF氏は
私が来るのを待っていてくれ、ペンキ塗り前に必要なヤスリ賭けの手順、
電動ヤスリ機や道具の使い方を丁寧に指導してくれました。
プロの道具は違いますね
黙々と作業に掛かりだしてみたのですけれどね、あの、、、
ひとつ気に掛かることが、
... 寒いっ!!
この日の朝のブルターニュはマイナス3℃、辺り一面霜が降りて白いです
なのにね、
ここのアトリエの扉は全開っ、暖房設備無しっ!
足の指先がジリジリ、そのうち作業に集中して辛さも緩和されてゆきました。。
3日間通ったJF氏のアトリエ、
彼はあの古いボロボロの扉を愛おしく思う私の気持ちを酌んでくれ、
彼自身もあの扉のスタイルを好いてくれていました
プラス 彼らの家と未来の家のある裏小路への思いもきっとあるはず。
そうして出来上がった扉です。
以前チェロの先生から指摘されたこと
「貴女自信がこの和音を心の底から美しいと思う事、そうしなければ美しい音色は生まれない」
音色と扉、 遠い距離にありそうなものなのに、こんなところでつながった。
この3日間
サンマロのアパートを朝出る時外は未だ薄暗く、海は暗黒
夕方自転車で戻ると、
お迎えありがとう
しばらくベンチでぼーーっ とする。
by pot-eri
| 2015-02-21 05:42
| 古い家の修復