星になったボブ l'etoile Bob








レンヌに来てからココちゃんに年下のボーイフレンドが現れました。
お向かいのマダムのお家の黒猫ちゃん。
毛の艶がよく、体格はココちゃんよりひとまわり以上大きくどっしり風格があり、
家の近所を自分の庭の様に歩き回る、性格は人なつっこくてとてもやさしい子でした。
ブルトンさんと私は勝手にボブと名づけて、秘かにボブと出くわすのが楽しみになっていました。

お義母さんの家の庭にも夜になると時々遊びにきたボブは、
ココちゃんと2m位の距離まで接近、
お互いにウーッともフーッともミヤゥとも言わず、ただただじーっと見つめ合い。。
一番最近は、玄関から家の中まで入ってきたボブがココちゃんの頭に
自分の頭をコツン、さすがに老女熟女ココさんにシャーッとやられ、
やり返すこともなくだまってとぼとぼ帰るボブ。猫の鏡のようなボブ◎

昨朝、出かける際にお向かいのマダムと出くわし、
「ボンジュール、ご機嫌いかが?」 いつもは簡単な挨拶で終わるのに昨日は、
「ところでお宅の猫ちゃんは雄?雌?どちらですか?」と尋ねてみました。
(勝手にボブと名づけているものの正確な性別は知らなかったので) 

「彼はね、死にました。」
「えっ??」 


… 先週の金曜の夜のことだったそうです。

「何故?? 事故ですか?」
「いいえ..アンポワゾネ… 毒殺」
「ド、ドクサツ?」


4~5年前おそらく捨て猫となってこの近所を放浪していた黒猫に
お向かいのマダムはごはんをあげるようになり、いつの日からか
黒猫ボブはマダムの家で一緒に暮らすようになったそうです。
(マダムはボブでなくミヌウ(仔猫ちゃん)と呼んでいました。)
一緒に暮らしはじめても、放浪時代の習性が消えることのなかったボブは、
毎日夕暮れ時になると外へ出て近所を旋廻、
マダムの就寝前に帰宅するのが日課になっていたそうです。

その夜ボブの帰りがあまりに遅く、探しに外へ出たマダムは
家の脇に黒い影… 横たえているボブを発見。
かろうじて息はしているものの、マダムの腕の中でぐったりしたボブを
救急の獣医さんのところへ連れてゆきその夜はそのまま預けることになり
翌朝、獣医さんからボブの死を伝えられたそうです。
夜中に幾度となく痙攣を起こし、獣医さんの診断では間違いなく何か
薬物が引き金になったのでしょうと。。


「うちの子、食いしん坊でしたからね。。ナメクジ退治の防虫剤なんて、
この辺りでは皆カンタンに使っているでしょう…」


穏やかな住宅街、どこの庭も美しく手入れされ花が咲き緑に囲まれています。
化学薬品の危険を、こんなに身近で感じることになるとは… ショックです。

使っている人はそんな危険性を知ること(知ろうとすること)もなく、
店先に並べられた便利で即効性のある商品に何の疑問も持たず、
容器の裏に虫眼鏡でないと読めないくらい小さく書かれた注意書きに気を留めることもなく、
色鮮やかにすくすくと植物が育つことに喜びを感じ、
植物に愛情を注いでいただけ、罪の無い行為と言えるのかもしれません、
いえ、言えるのでしょうか?
もちろん、作っている人、商品化してお金儲けをしている人は論外です。

レイチェルカーソンの様に半世紀以上も前から化学薬品が自然界に及ぼす危険性を
警告しつづけていた人もいます。
自由に情報を得られる現代社会を生きる私たちは、何も知らずに(知ろうとせずに)使っていた消費者だから
許されるという問題ではないと思います。
もっと自分の感覚でものの奥深いところを読み取ったり、読み取ろうと
少し勉強してみたり、商品化のキャッチフレーズや流行に流されることなく
自分で判断し暮らしのまわりのものを見つめなおしてみることがどんなに大切なことなのか、と思います。


先週まで、毎日夕方になるとお向かいの石垣の上に座って
茜色に染まるブルターニュの夕空を見つめていたボブは、もう星になってしまいました。

キラキラ輝いてね、ボブ。





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by pot-eri | 2013-09-05 23:53 | 空.つぶやき | Comments(0)

懐かしい未来へ... フランス ブルターニュ地方、小さな古い家の修復作業 手さぐりな日々の暮し  *陶のアトリエHP* http://atelieraonoto.web.fc2.com/  


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